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2019年12月15日 (日)

Upconv Frontend 0.8.x 説明書

Upconv Frontend 0.8.x の簡略版の説明書です。

Upconv 0.8.x は Wave ファイルのサンプリングレートやビット数の変換を行うソフトです。
CD からリッピングした Wave ファイル等を 32kHz~768kHz に変換できます。
44.1kHz のファイルを 96kHz に変換するような非整数倍のサンプリングレートへの変換もできます。

  • ビット数を拡張することができ、いろいろなスムージング処理をすることができます。
  • 高域補間ができます。CD化などの時に失われた超高域部分に音データを付加し、自然な音にすることができます。

upconv は現在開発途中のため注意事項を必ずお読みください。


  • 開発途中版のためバグがある可能性があります。
  • 変換終了後のファイルに問題がある可能性があり、雑音が大音量で再生される可能性がありますので、
    変換後最初に聞く場合はかならず音声の音量を小さくして再生してください。
  • 音量が大きい音声ファイルで、低域を強調した場合は音がわれる可能性があります。
  • 変換時に作業用の大きなファイルを出力先のディレクトリに作成します。出力先には十分に空きがあるディスクを指定してください。
  • 複数の音声ファイルを同時に変換可能ですが使用メモリ量や PC のリソースに依存し、PC の性能によって同時変換数は異なります。

 


Upc4
本ソフトで変換したときの周波数ごとで見たときの波形です。
DSD128(DSD 5.6M) の元データを16kHz でカットしてからHFA3で高域補間をしたときのものです。
HFA3 Version 0.8.x 、ABE Version 0.8.x で Cut Low Level Dataは4のときのものです。
周波数軸に着目すると、16kHzより上の音は本ソフトで補完したデータです。
高い音は聞こえないはずですが、上記データを20kHz より上をカットして聞き比べると音の広がりや本物感?が違います。
おそらく、走っている車のタイヤをみると高速回転しているタイヤは遅い速度で回っている模様が見えるので、それと
同じように高い音が耳に聞こえるような低い音として認識しているのかもしれません。
マラカスのような高い周波数が含まれる音やトライアングル。ピアノなどの音色が綺麗に聞こえます。

 

 

□ 使い方

U1
  
    

1.入力ファイルを指定してください。
2.変換オプションを指定してください。
3.Default Parameter を指定してください。
3.出力先を指定してください。
4.「Start」ボタンを押すと変換処理を開始します。

変換終了後に指定の出力先にファイルが生成されます。変換中にエラーが発生すると、拡張子が err のファイルを出力します。
変換を中止するときは「Abort」ボタンを押してください。
サンプリングレートが大きいファイルを変換している最中に中断してもすぐに終わりません。

Upconvをインストールしたディレクトリにlame.exe、flac.exe、wavpack.exe、wvunpack.exe、sndfile-convert.exe、libsndfile-1.dllを入れるとFlacファイルやmp3ファイルのデコード機能やエンコード機能が使えるようになります。

演奏時間が長い Wav ファイルのオーバーサンプリングモード(1536000)での変換は以下のサイズの作業用ファイルをディスクへ出力します。変換がエラーになる場合は、ディスクの空き容量があるかを確認してください。

例えば演奏時間が 24 分、サンプリングレートが 48kHz、ビット数が16Bit でステレオのファイルをオーバーサンプリングモード(1536000)で変換するときは、元のファイルサイズが 271MB の場合に…
(271MB ÷ 2) × 8 = 1084MB(upconv は内部処理で 64Bit 整数を使用します)。
これはビット数の拡張により必要になるディスク容量です。
さらに
48000Hz を 1536000Hz にするので 32 倍の 34688MB のファイルを生成します。
処理の途中で作業用ファイルを複数使用しますので、最低でもその 2 倍のディスク領域が開いている必要があります。ディスクの空きがない場合は、別のディスクをUpconv用の作業領域に割り当ててください。



変換時のオプションについて

サンプリングレート / ビット数
    出力ファイルのサンプリングレート / ビット数を指定します。

hfa(high frequency adjustment):高域の補間モード
   
CD 化などの際に記録できなかった高域を復元するかを指定できます。完璧なものではありません。
    高域の補間は、HFCでカットした周波数(これは元々のデータ)とHFCより高い周波数のデータを合成し最終的な音にします。
    HFCが指定されていない場合はサンプリングレートの半分を周波数の上限と定義し利用します。
    高域へノイズを付加するタイプと、倍音が含まれる周波数を解析し倍音と思われる音を付加するタイプがあります。

Cutoff

高域カット。高域への補間処理はしません。


 Noise(hfa1)

正規分布に基づくランダムデータを高域へ付加します。
本モードはアナログのレコード再生時や、フィデリックスの「ハーモネーター」を使用したときのように、高域へノイズが付加されます。アナログぽい感じとなり、カットしたときよりも心地よさを感じると思います。
付加する高域の音の強さは、音声の強さに応じて調整しています。


 Overtone(hfa2)

9kHz 以上の音声データから、HFCまでのデータを利用し、倍音と思われる成分を予想して高域に付加します。付加する倍音成分は位相をずらして付加することができます。音の広がりに違いが出ると思います。


 Overtone Ex(hfa3)

8kHz 以上の音声データから HFC までのデータを利用し(HFCの指定が無い場合は16kHz),各周波数で周期的な音かどうかを判定し、予想した倍音成分の音が高域にいくにしたがって、どのような減衰をしているかを計算し、予想と一番誤差が少ない減衰パターンで高域に付加する倍音を作ります。付加する倍音成分は位相をずらして付加することができます。ただし処理時間は hfa2 より遅くなります。
HFCの周波数により補間結果が異なります。録音品質が悪い音源や圧縮された音源(MP3等)はHFCを低くしたほうが良い結果になります。ただしシャリシャリという音が増える結果にもなります。これは今後のバージョンアップで改善される可能性があります。
音源ごとに最適な値があると思いますが、マイクの性能を考え収録された年代が2000年より前なら14~16k、新しいものでありマルチビットで録音されたものならHFCを高くするなどがあります。またDSDの場合は16k~20k付近からノイズが多くなるため、周波数ごとに表示できるwavespectraなどのソフトを見ながらHFCを決めて、hfa3で高域を付加したほうが音の広がりが出て良い音になります。MP3などの圧縮音源はHFC Autoで自動的にHFCを決めたほうが良いでしょう。

◇  Default Parameter

プリセットパラメーター

● [1] Upconv 0.8.x Default Parameter 01

デフォルトのパラメーターです。
あらかじめ「ABE」、「PostABE」、「HFC=16000」がセットされています。変更はできません。

● [2] Upconv 0.8.x Parameter 02

あらかじめ「ABE」、「PostABE」、「HFC=16000」、ノイズリダクション(カットオフ=1600)がセットされています。変更はできません。

● [3] Upconv 0.8.x Parameter 03

あらかじめ「ABE」、「PostABE」、HFC Auto、HFC Auto Adjust(2kHz)、OverSampling (x2)、ノイズリダクション(カットオフ=1600)がセットされています。

● [4] Upconv 0.8.x Parameter 04

あらかじめ「ABE」、「PostABE」、HFC Auto、HFC Auto Adjust(2kHz)、OverSampling (x2)、ノイズリダクション(カットオフ=1600)がセットされています。ABE Version、HFA3 Version を 0.8.x のものにしています。

● [5] Upconv 0.8.x Parameter 05

ABE の設定の箇所にある「Clip Noise Reduction」に適した設定をしています。通常のファイルには使用しないのがおすすめです。
音量が大きすぎ、高域が耳につきささるような音源の場合にお使いください。

● [6] Upconv 0.8.x HFA Filter(7,5,7,7)

HFA3 Version を 0.8.x にしており、HFA Filter 値を 7.5,5,5 に設定しています。またHFA 2/3 OptionのPreset 値を08番にしています。

● [7] Upconv 0.8.x HFA3 Analysis Limit Adjust(-4)

HFA3 Version を 0.8.x にしており、「HFC=15000」、HFA3 Analysis Limit Adjustを-4にしており、HFA3の解析を11000で止める設定にしています。またHFA 2/3 OptionのPreset 値を09番にしています。

Default Parameter [3~24] は使用者でパラメーターを指定します。「Setting」ボタンを押すとパラメータ設定プログラムが
起動します。パラメーター設定プログラムで変更した後は「Reload」ボタンでパラメーターを読み直し、Default Parameter を指定してください。

複数個のUpconv Frontend 0.8.x を起動して、Default Parameter の内容をそれぞれのUpconv Frontend で指定し、音楽ファイルを同時に変換することができます。設定値のファイルは以下の場所にテキストファイルで保存しています。
設定値のバックアップや、他の人への設定値の配布が可能です。ファイルの数字は連番であることを前提としています。

「C:\ProgramData\Upconv」ディレクトリの中。
upconv_default_01.txt
upconv_default_02.txt
....

◇ノーマライズ

「None」はノーマライズ処理をしません。
「Normalize(File)」は音量を最大値に正規化し、ファイルごとにノーマライズを実施します。
「Normalize(Channel)」は音量を最大値に正規化しますが、音のチャンネルごとに独立して正規化します。

◇出力オプション

変換後のファイルの出力先を指定します。
● 「Source Directory」

入力ファイルと同じ場所に変換後のファイルが出力されます。

● 出力先を指定した場合

指定した場所に変換後のファイルが作成されます。

● Suffix

変換後のファイルにはファイル名の後に「Suffix」が付きます。出力先が変換元ファイルと同じところに出力する場合はSuffix を取ることができません。デフォルトは「upconv」です。
Default Parameter に「Suffix」を指定しておくことができます。Default Parameter を選択すると、自動的にSuffixが設定されます。また、「Lock Suffix」にチェックを入れておくと、Default Parameter に「Suffix」が指定されていても、Default Parameter 変更時に Suffix を再設定しません。

◇ 一時パラメーター

[↑]ボタンを押すと一時的に指定可能な画面が出ます。HFC(高域カット周波数の指定)とオーバーサンプリングモードを指定できます。


□ Option

 U2  

◇ CDP Mode(Change Default Parameter)

チェックを入れると有効になります。
Default Parameter を複数作成しておき、指定したファイルの変換がすべて終了すると、Default Parameter を次の番号のものに変更して指定したファイルを全て変換します。
例えば、Default Parameter が 05 番~10 番まで存在している状態でCount に 5 を設定し、現在のDefault Parameter 05 番で変換を開始すると、Default Parameter 05番から10番の組み合わせすべてのファイルを作成します。この機能を使うと Suffix に番号が付きます。

◇ Test Conversion (1 Min)

音声ファイルを1分だけ出力します。変換パラメーターをいろいろ変更してテスト変換をする場合におすすめです。

◇ Output Option

Format の箇所では変換後のファイル形式を指定できます。通常 WAV ファイルは 2GB 以下ですが、出力後のファイルサイズが大きい場合は RF64,W64 にしてください。変換後のファイルサイズが大きい場合、本ソフトはWAVファイルで出力するときは1GBずつのファイルに分割します。RF64やW64の場合は分割しません。

W64 への変換には別途ソフトが必要になります(インストール要件を参照)。
Encorder の箇所では変換後のファイルをエンコードできます(FLAC、WavPack、MP3 が指定できます)。
W64へ変換するときはEncorderによる(FLAC,WavPack,MP3)への出力はできません。

Split Sizeは演奏時間が10分以上のファイルがある場合に、指定したファイルサイズで事前に分割してから変換するときに利用できます。
変換中はディスク容量を必要とするため、事前に分割しておくことでスムーズに変換ができます。
分割後の結合機能はありません。これは長時間の動画を作るときなど、音声だけupconvfeで変換しておきたいというときに使用できます。

      Output Default Parameter(WAV)
      変換時に使用したデフォルトパラメーターの内容をWAVファイル内に出力します。
      後から出力先のWAVファイルを元にデフォルトパラメータを復元する場合に使用できます。
      変換後のWAVファイルに問題がある場合は、このオプションをオフにしてください。

      □ WAVファイルからデフォルトパラメータを復元する方法
      1. Upconv Frontendで変換したWAVファイルを本ソフトのFilesに追加します。
      2. デフォルトパラメータを取り出したいWAVファイルを選択すると「DP」ボタンが有効になるので押します。
      3. 開いた画面でデフォルトパラメータを確認して「Save」ボタンを押して保存します。
      4. Upconv Frontend で「Reload」ボタンを押して保存したデフォルトパラメータを読み込みます。
      5. 必要なら「Setting」ボタンを押してデフォルトパラメータを編集します。

      DPボタンが有効にならない場合は選択したWAVファイル内にデフォルトパラメータは保存されていません。

U1_20200524121901

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ Resource Option

● Thread(Max)
 1 つの音声 Ch につき変換中に使用するスレッド数を指定します。
● CPU Priority
   変換中の CPU 占有率を指定します。「Low (IDLE)」,「Normal」または「High」が指定できます。
   変換中に同じ PC で他の作業をする場合は「Low(IDLE)」にしてください。
● Upconv(Max)
   upconv frontend の GUI 1 つにつきファイルの同時変換数を指定します。
   今現在(1,2,4,8)が指定できます。変換でエラーになる場合や PC が重くなる場合は、数を減らして実行してください。

● File IO
  
変換で使用するバッファの個数を指定します。バッファ 1 つあたり 20MB を使用します。PC のメモリ量に合わせて指定してください。

◇ Complete Option

変換終了後のオプションです。このオプションは Upconv Frontend 終了時にチェックの値を保存しません。

変換終了後に元ファイルを削除したり、PCの電源をオフにできます。



□ Default Parameter Option

     CDP Modeで使用します。使用しない Default Parameter を Inactive Default Parameter へ移動すると、CDP Mode での変換時に
使用しないようにできます。
     例えば、Default Parameter10,15,20 だけ使用したい場合は 11,12,13,14,16,17,18,19 を下に移動しておくと、Default Parameter10,15,20 だけ使用して変換することができます。このオプションは、upconvfe を終了した場合に保持しません。

Upconv1_20200404200901

 


□ Default Parameter の編集

  Dp1

「Setting」ボタンを押すとDefault Parameterの編集ができます。
Upconv Frontend から呼び出すことも upconf_conf.exe を起動することでもこの画面を表示できます。
Upconv Frontend から呼び出す場合は、選択している Default Parameter の値を読み込み、画面に表示された状態になります。
プルダウンから数字を選択した場合はすぐには読み込まず、「Load」ボタンを押すと設定値が読み込まれます。
変更後に設定値を保存する場合は「Save」ボタンで保存してください。
Default Parameter 1 と 2 は変更できません(Save ボタンは押せません)。
Default Parameter 1 と 2 を変更したい場合は、「Load」ボタンで読みだした後、パラメータを変更して数字に 3 以降を指定してから「Save」ボタンを押して保存してください。設定が終了したら「Exit」ボタンで閉じてください。

「Folder Open」ボタンを押すと、デフォルトパラメータの保存先がExplorerで開きます。
デフォルトパラメータをバックアップしておきたい場合などにファイルを参照してください。


Upconv オプション

変換オプションを指定できます。

◇ Convert
▪ Adjust Bit Extension (ビット拡張用の調整 ...ABE)
  ビット数を 16 から 24 へ拡張する場合等に量子化誤差を少なくするようにデータを調整します。
  量子化ビット数が足りないため階段状になった波形を滑らかにします。
  また、立ち上がりや立下がりのデータの量子化誤差を軽減する処理もします。

▪ Post ABE
  リサンプリングや高域補間処理が終わった後に再び ABE 処理(ビット拡張用の調整)をします。
  音声の波形がなめらかになるように処理します。

▪ Cut High Pass Dither (ハイパスディザのカット
  音声データの中には、約 15kHz 付近から高域にかけて強くなっていくディザがかかっているものがあります。
  周波数表示で見ると谷型になっている音声です。このような音声データに HFA1~3 等の高域補間をかけると高域が不自然に強くなってしまいます。そのような音声データを変換する場合に使用すると、15khz 以上の高域を弱めるようにします。

▪ Post NR
 高域補間を実施した後にもNR処理をします。NRの時に使用する周波数はHFCで指定したものと同じになります。

▪ HFC Auto
  HFC の周波数を自動で求めることを試みます。MP3 ファイル等で 16kHz 以上がカットされている音声等と他のファイルを同時に変換する場合等に便利です。
  音声ファイルによっては HFC の周波数が低く判定されてしまう可能性もあります。
  HFC Auto と HFC を同時に指定した場合(Enable HFC にチェックを入れた場合)は、HFC Auto はオフになり、HFC の値を優先します。

▪ Low Adjust (低域調整...100Hz 以下)
  100Hz 以下の音のレベルを調整します。CD からリッピングした音声には 50Hz 以下の音声のレベルが小さくなっているものがあります。
そのようなデータを補正します。

Mid/Side Process(MP3,MP4,WMA,OPUS)
 音声の Left / Right を Mid(Center)と Side (Center 以外)に分けて処理します。
 非可逆の音声ファイルで Side 側の削られてしまった音を Mid から生成します。
 音の広がりや圧縮によるしゅわしゅわという感じの音が消え、音質が良くなります。
 MP3 や WMA の場合、非可逆の音声ファイルのビットレートが 128kbps 以上のがおすすめです。
 96kbps などの圧縮率が高い場合は元々の音が削られてしまっているのであまりいい音にはなりません。
 下のほうに関連するパラメータがあります

▪ オーバーサンプリング
  None 以外を指定すると、指定したサンプリングレートで処理を実施します。
  最終的に目的のサンプリングレートにダウンサンプルします。

▪ HFC (4000以上)
  指定した周波数をカットします。HFA による高域補間時はカットすることをお勧めします。
  Enable HFC のチェックを入れていない場合は値が指定してあっても使用しません。
  HFC による高域カットをする場合は、Enable HFC にチェックを入れて HFC にカットする周波数を入れてください。

▪ LFC (20以上)
  指定した周波数以下をカットします。
  Enable LFC のチェックを入れていない場合は値が指定してあっても使用しません。LFC による低域カットをする場合は、Enable LFC にチェックを入れて LFC にカットする周波数を入れてください。

◇ Noise Reduction (ノイズリダクション...1000Hz 以上)
   サーという感じのノイズ音を削減します。
   FFT による周波数解析を実施し、周波数毎に鳴ろうとしている音か、ノイズかを判定し
   一定期間以上出ている音を残して残りは軽減する処理にてノイズを削減します。
   NR Level で強さを指定できます。

◇ Mid/Side Process
    Side への音を付加する場合に、Mid から音を生成するときの動作モードを指定します。
    ▪ Normal
      Side が圧縮により削られている場合に、4K 以上の Mid から Mid を 1 サンプルずらした音をあわせて重ねて Side を生成します。
    ▪ Wide
      Side が圧縮により削られている場合に、4K 以上の Mid から Mid を 1 サンプルずらした音をあわせて重ねて Side を生成し、
     
その他に-7ms、+19ms、-14ms、+56ms ずらした音を重ねて音を生成します(値は音の伝わる速さを元に作った適当な値です)。
    ▪ Cutoff
      Side が圧縮により削られている場合に、4K を下限として Side を削ります。
      圧縮によりおかしくなってしまった Side 成分をカットすることで HFA3 などの高域補間に
      悪影響を及ぼさないようにする効果があります。

◇ Output (出力モード)
   upconv 内部は 64 ビットで処理していますが、出力時の丸め処理を指定可能です。
▪ Cutoff:
  データを切り捨てます。

▪ Dithering:
  データを四捨五入し、ランダムディザを加えます(正規分布に元づくデータ)。
  ディザのレベルは Extra の「Output mode option」で指定可能です。

▪ Noise shaping:
  ΔΣ 変調のような Noise shaping 処理をします(0.5.6 とは処理を変更しました)。
  本モードにプラスしてディザを付加することができます。
  ディザのレベルは Extra のディザレベルで指定可能です。
Error Diffusion Method:
  データを四捨五入した後、ビット丸め時の誤差を前後のサンプルに分散します。
  本モードにプラスしてディザを付加することができます。
  ディザのレベルは Extra のディザレベルで指定可能です。
▪ ディザレベル
  ディザの強さを指定可能です。出力ビット数が 16 ビットの場合は最大値にしないでください。
  その場合はディザがかなり強くなり、大きなノイズ音が出ますのでご注意ください。

◇ Encorder Option
  FLAC、WavPack、MP3 へエンコードする際のエンコーダーへ渡すパラメータを指定できます。
◇De-Emphasis
  De-Emphasis 処理をします。本処理は簡易的な処理になってます。
  本格的に De-Emphasis をする場合は efu 氏作成の DE.EXE で前処理してから変換してください。
▪ 50/15us(CD-DA):
  3.18KHz から 10.6KHz にかけて 10db ほど下げる処理をします。
  プリエンファシスがかけられた CD に適用してください。
▪ CCITT J.17
  2.1KHz から 9.5KHz にかけて 10db ほど下げる処理をします。
  TV や BS 放送の音声でプリエンファシスがかけられているものに適用してください。
  TV や BS 放送の音声のプリエンファシスの仕様が不明なので
  適用周波数が間違っているかもしれません。

◇ HFC Auto Adjust
  HFC Auto で検出したカットオフ周波数を調整します。
  ▪ None
    HFC Auto で検出したカットオフ周波数をそのまま使用します。
  ▪ HFC Auto (-1kHz)
    HFC Auto (-2kHz)
    ...
    HFC Auto (-9kHz)
    HFC Auto で検出した周波数から選択した周波数分調整します。
    調整値が 10kHz 以下になる場合は hfc を 10kHz として利用します。

◇ Volume Level Adjust
    変換後のファイルの音量を調整します。
    100,95,90,85,80,75,70,65,60,55,50%,Auto が指定できます。
    HFC に低い値を指定したときのHFA3による高域補間時にノイズが気になる場合は、この値を100%より低くすると改善する可能性があります。
    変換後に音量が大きくて音が割れてしまうファイルはAutoにすると音量を自動で下げます。

□ ABE Option

◇ Low Level data (ローレベルデータ用)
 ▪ Cut Low Level data
   小さい音声をカットします。
   ビット分解能が少ないせいで階段状になってしまったデータ(例えば-80db,-90db)から余分な高調波をカットし階段状になってしまったデータをなめらかにする効果があります。
  小さい音声をカットしますので、音量が小さめのファイルだと高域がカットされやすくなります。
  ただし HFC Auto のカットオフ周波数の検出はうまく動作しなくなります。
  デフォルトではオフです。お好みでオンにしてください。
▪ Cut Level (ABE Version が 0.8.x の場合のみ)
  音声ファイルが 16Bit 、24Bitの場合に有効です。Cut Level の強さを指定できます。10 が強く。1 が弱い値です。
  8 が Upconv Frontend 0.7.7.4 と同じ値です。6 が Upconv Frontend 0.8.1 と同じ値です。
  24Bitの音声ファイルでは-144dbあたりが表現できる最小の音量です。そこまで微弱な音が収録されている音声ファイルでは効果があると思いますが、16Bitの時と同様な感じに値を調整してあります。
お好みで設定してください。

 クラシックなどで音量が小さい場合に 8,9,10 などの強い値だと高域部分がカットされやすくなります。16Bit の微小な音(1Bit)を整形し  24Bit などの値にした際に音の波形が滑らかになりますがこの値は、2,3,4 近辺が良いように思います。

 値の決め方ですが、ピアノやバイオリンなどの音色に着目して、なんとなく自分が良い音だと思ったものを採用するのがいいでしょう。
 音の評価時は、良いスピーカやヘッドホンを利用し、もしPCで聞く場合は変換後のサンプリング周波数と再生に使用するデバイスのサンプリング周波数の設定を合わせ、良く聞いている音楽で試すのが良いでしょう。
 コンビニで買ってきたイヤホンとオーディオテクニカのヘッドホン(木のハウジングのもので45kHzまでの再生に対応しているもの
)で試したことがありますが全然違いました。なるべく高い周波数のところまで対応している音声機器を利用するのが良いです。

▪ スムージング・ローレベルデータ
  小さい音声を平均化します。CD などで 16 ビット化されたときに、
  斜め上がりや斜め下がりのデータで間のデータが 2 個同値になってしまったようなデータを
  平均化し滑らかな波形にします。
▪ ディザ/ノイズカット
  パルスになっているデータを弱めます。
  データを 3 つとり、中央のデータが前後のデータより指定数以内の場合に
  3 つのデータを平均化したものを書き込みます。
  余分なディザ/ノイズによりパルスが含まれているデータをなめらかにします。
  弱める強さを 5 段階から選択できます。
▪ ABE Adaptive Filter
  同じ値が続く場合に、FFT で特定の周波数でカットします。デフォルトではオフです。
  お好みでオンにしてください。
▪ Clip Noise Reduction
  音量が大きすぎて、音がクリップし上限値にはりついてしまった音や、海苔音源のような聞きずらい音を調整します。波形を調整するためおかしくなるかもしれません。
  いったんクリップした状態の波形にしてからローパスフィルターをかけて台形になってしまった波形を Sin 波にします。またイコライザで調整し高域を弱めます。
▪ Click Noise Reduction (実験中)
  クリックノイズの調整をします。ノイズの軽減用に作成したものですが目的を果たしていません。
▪ ABE Version
  Ver 0.7.7.4 は Upconv 0.7.7.4 と同じ生成方法にします。
  Ver 0.8.x は 0.8.x 用の生成方法にします。
  お好みで指定してください。


hfa2/3 オプション(高域補間オプション)

◇プリセット(Preset)
hfa2/3 オプションを最大で 10 個保持します。各値は「保存」ボタンを押すとプリセットに保存されます。

▪ Sig1 On
  強い倍音成分を付加するかを指定可能です。
▪ avgLineNx(HFA2 のみ):
  倍音検出時のパワーの平均と倍音の閾値です。値を大きくすると検出されにくくなります。
▪ Sig1 Phase
  Sig1 を付加する場合に位相をずらしながら付加します(-44 から 44 で単位は度です)。
- HFA2/3 共通 -
▪ Sig2 On
  フロアノイズや弱い倍音を付加するかを指定可能です。
▪ Sig2 Phase
  Sig2 を付加する場合に位相をずらしながら付加します(-24 から 24 で単位は度です)。

▪ Sig3 On(HFA3のみ)
  弱い音声の関連度を調べて付加するかを指定可能です。
▪ Sig3 Phase
  Sig3 を付加する場合に位相をずらしながら付加します(-44 から 44 で単位は度です)。

▪ Noise Blend
  hfa2/3 で求めた倍音成分にランダムノイズ成分をブレンドします。
  Sig1 On、Sig2 On、Sig3 On とは独立して指定可能です。
  ブレンドする割合は 0%~100%まで調整できます。100%だと高域補間モードが hfa1 のときとあまりかわりません。
▪ HFA Level
  生成した音声の音の強さを指定できます。初期状態ではNoneで変更しません。
  HFC が低い場合など、変換後の音がきんきんする場合にHFA Levelを5(Low)にすると高域を弱めることができ、聞きやすくなります。
  AutoにするとHFCのカットオフ周波数ごとにHFA Levelを自動で調整します。HFCが15kHzより低い場合はAutoにするのがおすすめです。
  Autoにすると付加する高域は低めの音量になります。物足りない場合はAuto以外でLevelを少しずつ下げてためしてみてください。

-HFA3 のみ -
▪ HFA3 Version
  Ver 0.7.7.4 は Upconv 0.7.7.4 と同じ生成方法にします。
  Ver 0.8.x は 0.8.x 用の生成方法にします。
  倍音解析のときに参照する位置を少し荒くして倍音の検出精度を高めます。
  HFA3 Version が 0.8.x の場合は以下のオプションが利用できます。


▪ HFA Filter
  HFA2/3 で生成した波形の強さや、弱めるときの波形の傾きを指定します。
▪ Filter1
  19kHz 以下の領域で HFA2/3 で生成した波形を弱めるときの強さを指定します。通常は HFC のカットオフ周波数より低いところにあるので変化はあまりありません。
▪ Filter2
  24kHz 以下の領域で HFA2/3 で生成した波形を弱める強さを指定します。1 にすると強めで 9 では弱めにします。
▪ Filter3
  44kHz 以下の領域で HFA2/3 で生成した波形を弱める強さを指定します。1 にすると強めで 9 では弱めにします。
▪ Filter4
  93kHz 以下の領域で HFA2/3 で生成した波形を弱める強さを指定します。1 にすると強めで 9 では弱めにします。

◇ HFA3 Analysis Limit Adjust (HFA3 ALA)
    このオプションはHFA Versionが0.8.xの時に使用できます。
    HFA3 の解析時に参照するデータの上限は通常HFCまでとしていますが、これをHFA3 ALAで指定した分までとします。
    マイナス4からプラス4まで指定できます。マイナスにすると精度が向上し、プラスにすると鈍くすることができます。
    例えばHFCを15000にして、HFA3 ALAを-4にすると、HFA3の解析は11000までを参照します。

□ Multi Channel
2Ch の音声ファイルから Center Channel などの音声を生成することができます。

◇ 生成する音声の指定

▪ Generate Center Channel
  Left/Right の音声を FFT 解析し、両方の音で鳴っている音声は強め、差がある音声は弱めることで、Center の音を生成します。
▪ Generate Surround Left/Right
  Left/Right の音に残響音っぽい音を付加し、後ろの Left/Right 用スピーカーの音声を生成します。
▪ Generate LFE
  低音用の音を生成します。
▪ Output Monaural File
  生成した音を分割して 1 つ 1 つのモノラルファイルとして出力します。
▪ Down Mix
  生成した多チャンネルの音をミックスしステレオファイルで出力します。
▪ Echo Effect
  Surround Left/Right 用の音の響きレベルを調整します。


Common Option

◇ Work File Path
変換中で使用する作業用ファイル(r1,r2 など)を出力するディレクトリを指定します。
オーバーサンプリングモードを 1536000 にする場合や、演奏時間が長いファイルを変換する際に作業用ファイルを出力する先のディスクの空き容量が足りない場合に、別のディスクを指定できます。


Overwrite Option

◇ Convert Option (Overwrite)
▪ Sampling rate、Bit Width
  変換後のサンプリングレートとビット数を Default Parameter に含めます。
  設定する場合は「Overwrite」にチェックを入れてください。
  Default Parameter を変更すると、Upconv frontend の値が変わります。
▪ HFA
  HFA の値を Default Parameter に含めます。設定する場合は「Overwrite」にチェックを入れてください。
▪ Normalize
ノーマライズ値を Default Parameter に含めます。設定する場合は「Overwrite」にチェックを入れてください。
◇ Suffix (Overwrite)
Default Parameter 選択時に、Upconv frontend で指定する Suffix を指定します。設定する場合は「Overwrite」にチェックを入れてください。

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コメント

こんにちは
以前から使用させていただいているものです。
PCを買い替えるのと同時に最新バージョンを入れてみたのですが、以前DLして使用していたものは日本語対応だったのですが、最新版では日本語非対応になったのでしょうか?

投稿: MocA | 2020年5月10日 (日) 19時51分

はい。
開発環境を変更したときにupconvfeを日本語にすると起動しなくなったので日本語の表記は外しています。

投稿: 作者 | 2020年5月10日 (日) 23時13分

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